大志への道すがら

『大志への道すがら』

新成人の皆さんに贈る
若さとは誰にでも平等に与えられる
素晴らしい財産という梵蔵のちょっといい話

昨日の夜席での事
ポツリと入店してきた1人の青年の話

普段、あまりない事なんですが
一人でコース料理を注文され

私は蕎麦打ちをしていたので
調理場と延場を交互に出入りして
客席に目を配った時に

この青年の料理と向き合う姿勢に
久々に感銘を受けて、暫し目を細めて
延場から眺めてしまいました

味はもちろんのこと
盛り付けや香りに至るまで吟味して
真剣な眼差しで料理を口に運び

発見があれば、手早くメモを取り
食べる事もそこから得た事を
自分のものにする為のメモ取りも
正に真剣そのもの!!

修行時代に私が師事していた
総料理長が言った言葉で

料理の世界は一期一会
作るプロと食べるプロの
真剣勝負の場なんだ!忘れるな!

その言葉を思い出し
いつも以上に気合が入りました

もし、僕の予想が当たっていれば
何処かの調理場で修行している身
と思われる この青年

独立を志しているのか?
単に腕を磨きたいのか?

真剣さの具合や熱量から
きっと前者だと思います。

厳しい修行中の貴重な休みと
そして貴重なお金だと思いますが

でも、それは自分への投資 

大人になってから余裕のある懐で
食べるのとは雲泥の差となるもの

言葉こそ交わさなかったけれど
今日お出しした蕎麦や料理が
今の僕の全てです。。

そうやって打ち降ろす一振りの
包丁に心を込めて仕事をしています

真剣に受け止めてくれてありがとう

拙い技と自分なりの工夫ですが
メモまで取って学ぼうとしてくれた事を
嬉しく思っています

君の夢はきっとまだ道の途中

時に厳しく感じても
そのまま歩みを進めて行って欲しい

私は蕎麦を打つ事を生業としていますが
本当に打ちたいのは、その人の心

君の心に響いてくれたのであれば
一職人として幸せに思う

一心一刀

ベタな言葉だけど
若者よ大志を抱け!!
蔵主

Bonzo-Kamakura soba restaurant

コロナウイルス感染拡大防止の為 2020年 4/1より当面の間 営業を自粛しております

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